食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字 〈上〉

食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字 〈上〉 (光文社新書)

食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字 〈上〉 (光文社新書)

さおだけ屋同様、一風変わったタイトルですが、今回は身の回りの数字の話を扱っています。たとえば、数字の「見せ方」として、言い換え、割り算、単位変換などを取り上げています。こんな例がありました。

  • 1勝2分 => 3戦無敗
  • 2%還元 => 50人に1人無料

たしかに、もっともインパクトの強い言葉を選ぶことで聞き手の印象が変わることは多いと思います。冷静に確率を考えれば自明でしょうが、「50人に1人無料!」と言われると、響きとしては「5%還元」のお店よりも得な気がするかもしれません。


数字の話とはあまり関係ないですが、この本で興味深かったのは古本屋さんについてでした。

近所に、お客さんが1日に数人しかいない小さな古本屋があります。どうして潰れないのでしょうか?
その理由を最低でも2つお答えください。


考えられうる状況としては、意外に「収益」が多いか、意外に「費用」が少ないかでしょう。前者に関しては、ネット販売で主な売り上げがたってたり、学校の卒業名簿など、仕入れ値が安く高値で取引されるものを扱っていることが考えられます。(仕入れ値は数千円くらいで販売価格は5〜10万円が目安らしい。)

後者に関しては、「セドリ(背取り)」というものがあるそうです。セドリとは、他の古本屋でなぜか安値で売られている希少本を仕入れ、自分のお店で適正価格にて販売し、その差額で利益を出すことです。客層の違いや店主の知識によってセドリの発生する機会が生まれますが、実は近年以前より活発に行われているそうです。


そのきっかけは、ブックオフ
ブックオフでは、業務の効率化のために、ふつうのアルバイトさんがきれいか汚いかの判断のみで古本を仕入れるスタイルをとるそうです。このため従来は専門知識を要した買取審査にが効率化され、急速にチェーンを拡大することにつながり、その流れでセドリの機会も増えたそうです。ブックオフには一律100円の棚があり、ここに汚れているがために、有名作家の初版本や絶版本が転がっているらしいです!?


なるほど...という感じでした。タイトルとは無縁ですが。 (^^;