第4回エンジニア交流勉強会「gungi」を覗いてきました
今回のテーマは「イントラHacks」。
90名の定員でちょっと広めの部屋でしたが、さすがに人数はややまばら?
なんとなく今回は年齢層が高い気がしました。
以下、タイムテーブルに沿ったメモ書きになります。
メモなので散漫です...しかも長いです。 (^^;
■ gungiとは
シリウスの関さんが司会。
要は、会社を超えたエンジニアの交流の勉強会、とのこと。
- ソーシャルニュースサイト - gungi(グンギ)
技術ネタ、面白ネタを pickup して○×つけてます。
■ トークセッション
ここから松尾さんに進行をバトンタッチ。
登壇者は、
各自のプロフィールを自己紹介。
- TIS: 倉貫義人さん
TIS株式会社、SIer
夜の顔? eXtream Programming 日本ユーザー会 会長さん
社内でイントラつくってます (通称: TIS Communication Portal)
特徴は、SNS + ソーシャルブックマーク
企業ユースに特化した SNS で、全文検索、ブックマーク、イベント管理、質問回答などの機能あり
1500人が登録されていて、半分くらいがアクティブユーザー
RoR でつくってあって、コードは全部で 1万行くらい
追記:たぶんここをみるともっと詳しいことがわかりそう。
Know HowからKnow Whoへ 〜社内SNS構築指南
第1回 SNSによる社内情報共有の可能性
第2回 社内SNSと一般的なSNSの決定的な違い
第3回 Ajax、Googleアプライアンス、アジャイル、Ruby on Railsを採用した理由
第4回 http://www.thinkit.co.jp/free/article/0703/11/4/title=社内SNS活性化6つの秘訣
第5回 http://www.thinkit.co.jp/free/article/0703/11/5/title=社内SNSの弱点を克服する
=== 質問タイム ===
Q:SNS 開発に着手した経緯は?
A:社内向けになにかを展開する部署に所属してて、上からミッションが降ってきた
Mixiを社内にもってきたらいいのでは、と思い、プロジェクト始動
企画は2005年5月、開発開始が 11月、そしてリリースが 12月!
Q:SNS を上長に説得した秘訣は?
A:説得してないです (^^;
有識者の連携、ナレッジ拾いのための予算をあらかじめもらってた
SNS というキーワードは使わずに上に説明(笑)
Q:当時枯れてない RoR を採用した決め手は?
A:ひとめぼれ?
Javaに飽きていた
RoRの本も書きました
- ドリコム: 吉川建次郎さん
ドリコム歴は、2年と4ヶ月
工学部でセンサーとか電気とかやってました
ガイアックスでコミュニティサービスを1年くらい
そのあと大学に戻って、映画のにおいをつけるという卒論で卒業 (^^;
言語は、JavaとPerl
「ドリコムブログオフィス」
- ASPサービス
- サーバ不要で即日サービス開始
- パッケージサービス
使っているのは、
クラス数 6000くらいで、コードは 13万行とのこと
各版ごとにバイナリは違うらしい?でもそのうち統合予定実績としては、
- 300社導入
- 60万人に提供していたシステムがベース
=== 質問タイム ===
Q:パッケージ製品ならではの苦労は?
A:導入と保守
インストールの簡略化、RPM化など
また、アプライアンスを別会社に全部おまかせ
運用時の不具合は、パッチを送って対応することが多い
場合によってはサーバを送ってもらうことも
Q:パッケージ開発をはじめたきっかけは?
A:取締役がカレー好き
カレーを食べるのがイヤだとブログでいいはじめた社員がいたのがきっかけ
面と向かって言えないことを書く場、サービス
2週間でつくるよ、と豪語
BtoCサービスをくっつけくっつけでプロトタイプ作成
「グループブログ機能」がウリ (お盆の最中にこっそりつくったらしい?)
Q:製品をブラッシュアップさせるための施策は?
A:品質面では、まず社内で使って要望、不具合の吸い上げ
機能面では、オフィスコンテスト
一番いい機能をつくったひとには大トロ食べ放題などの社内イベント
外向きは Rails コンテストをやってるが、内向きはなんでもあり
たとえば、、、
Twitterに通知を送る機能
ひとに対して評価してタグ付けする機能、とか
- マイネットジャパン: 松尾康博さん
前職では基幹向けJavaミドルウェア開発者
Java,PHP,C/C++
イントラ Newsing
日本最大のソーシャルニュースサイト「newsing」ベースのパッケージソフト
タバコ部屋トークができるツール
LAMP + Ethna
Ajax
簡単操作で気楽
ランキング機能
社内でホットなニュースと社員がすぐわかる
忙しくても使いたくなる
企業内チェーン
イントラもファイルサーバもピックアップ対象
導入効果がわかる統計分析機能
ソースコードはnewsingとは別、ブランチがきってある
新機能はどちらが先かは適当、両方やってるので.. (^^;
=== 倉貫さんと吉川さんに質問 ===
Q:社内向けならではの機能、工夫 (mixi、MovableType、はてぶ等と比較して)は?
倉貫さん:
マイミク機能がないです
登録したところから社員全員が友達!
コミュニティはあります
紹介機能もあります
社員にブックマーク、タグ付けできる機能
こいつは「おやじ」、こいつは「めがね」とか
吉川さん:
グループブログがあること
アクセス権を設定してクローズドな情報のやりとりも可能
個人のブログはオープン、一部センシティブな情報を扱いたい
松尾さん:
URLなしブックマーク
ブログに書くほどでもないネタをとりあげやすくする
松:ひとにタグ付けするってどんな感じ?
倉:若手がよくつける
ひとがつけたタグは自分では消せない
「know who」にはなってます
「Rails使い」とか「Java使い」の一覧とかまじめなものもあります
3000人いるとけっこう重宝します
ほかの人から見たときの自分がタグクラウドでわかります
Q:コミュニティ活性化を促進するために行ったシステム的な施策、運用的な工夫は?
吉川さん:
記事の減った時期があった
3日間記事をかけとのインターン生?からの指令、それで活気付いた
記事を評価できる機能もつくりました、★をつけるようなやつ
一日一回メルマガを発行したりする顧客もいます
倉貫さん:
要望があがったら、自分たちでどんどん直してく
そうするとほかの社員さんにも喜んでもらえる
スモールスタートでたくさん書きそうな人をアサイン
段階的に増やすことで、母数に比して書いてる人が少なく見えない工夫
なので (全員友達だけど) 招待制にした
松:アクティブなユーザーは?
倉:2:8 の法則で 2割
客先常駐のひとも含めると10日に1回くらいアクセスしてるのが半分くらい
松:社内炎上は?
倉:ありました
運営側はがまんして放置
所属もはっきりわかるので、そこまでひどい誹謗中傷にはならない
だんだんと利用者も Webのマナーをまなんでいく
吉:社内で炎上したことはあまりないです
取締役がたまに巡回している?
松:運用ノウハウが肝だと思います
Q:検索機能で工夫されている点は?
ソーシャル系の検索ってまだセオリーがない
倉貫さん:
Google mini がバックエンド
フロントでフィルターをかけて ACL に沿って検索結果をしぼることもできる
一番安いやつを使ってる
記事数でコストがかかるが、まだまだ余裕あるみたい
キーワードランキングを月に一度ユーザーにメルマガで配信
吉川さん:
コンセプトベースと連携してあいまい検索とかもできるようにしている
クローズドなブログは全文検索の対象外に
松尾さん:
newsing はできたばかりなので ACL の面ではやや弱いかも?
Q:ユーザーが勝手に始めた意外な使い方やユニークな要望は?
吉川さん:
トップダウンの用途、グループ企業に発信するために社内ブログを使った企業もあった
社長ブログの用途とかも
社長がブログを書いて社員がコメント
(せっかく SNS いれたのに) ちともったいない
倉貫さん:
面白い使い方はあまりない?
OSS的にチームメンバーは好きに拡張してよい
たとえば、プレゼン機能
どんなプレゼンも勝手にプレゼンになる!
ユニークな要望としては、
半年くらいたって社長が招待されてブログを書き始めた
まわりが騒いでそれを目立つようにできないかとのオファーがきた... (--;
丁重にお断りしました(笑)
Q:今後の展開について
倉貫さん:
外向きにいきたい、SaaSとか
OSSとして公開したい
ハードル高そうだが、なんとか通してみせますと宣言
吉川さん:
エンタープライズ版を大きな会社にいれてブラッシュアップ
突貫でつくったのでプラグイン的なつくりになっていない、設計を見直したい
松尾さん:
出たばっかりなので、がんばって展開するのが当面の目標
マッシュアップ、連携の間口を広くしていきたい
=== 全体の質疑応答 ===
Q:TIS の全記事数は?
A:覚えてないけど、あとの発表ででてきます
Q:社内ツールが製品になった事例はある?
A:ないです
若手が活性化のためにイベントをたちあげるようになった
Q:いいコメント、悪いコメントありますか?
うっとおしいのもたまにはあるかも
ドリコム社内の数人は社内ブログ全部の通知をうけて、しかも読んでるらしい...
■ iUGのご紹介
進行はをふたたび関さんに。
iUG 代表:丹野みずきさんの発表
サイボウズでプロダクトマネージャ
iUG = intra BLOG/SNS Users Group
2005年11月15日設立
企業内におけるWeb2.0ツールの活用
会員数:275名
ナレッジマネジメントやコミュニケーションツールの企画運営にかかわる有志
年4回のカンファレンス、企業へのインタビュー、講演など
イントラの事例は共有されにくい
事例発表の場、交流の場
新しい企業内コミュニケーションのスタイルの模索
- INTRA BLOG/SNS USERS GROUP
- http://iug.typepad.jp/
- インタビュー、カンファレンスの議事録など
- ソーシャルニュースサイト - iUG-newsing
- http://iug.newsing.jp/
- Enterprise2.0の注目ニュースが一目でわかる
■ 上田修子さん
「OpenPNEではじめる自作SNS入門」や「Xoopsによるポータルサイト構築」を書かれたライターさん
今書こうとしているのが、「Pukiwikiでつくる!最強のポータルサイト」
ソーテック社の「最強シリーズ」
というわけで、アンケートに答えてください、とのこと
■ 事例紹介
倉貫さんによる社内SNS開発、事例紹介
副題は、チーム開発は「コミュニケーション」がキモ
追記:資料が公開されていました
目指すもの
- ユーザーに品質の高いアプリケーションを常に提供
- 1度リリースしておしまいではない
- Software as a Service
- 開発者がプログラミングを中心に楽しく開発できる
- 動くソフトウェアが重要
- 作業がクリエイティブであること、成長できること
ひとりじゃない、チームで開発
そのためにはコミュニケーション重要
コミュニケーションは多ければ多いほどよいわけではない
無駄のない効率的なコミュニケーション
共有したいのは情報だけでない
思いや感情、理念とか
どうやってコミュニケーションしていくか
どう実践してきたかの事例を紹介します
社内SNSの開発、運用
- 企業ユーズに特化
- ゼロからスクラッチ(二人で)
- 開発者自身が業務運用、システム運用を担当
- ユーザニーズに応じた機能改修と定期的なリリース
導入の経緯
- 経営からのミッション
- 現場技術者の思い
- 外部環境の変化、Web2.0
- ツールの選択
利用状況
- 利用者1593名
- 13213件の記事、コメント除く
- 10日に1回アクセスが700人
- 基本的に口コミで広めていきました
RoRを使ってます
- 2005年当時ではめずらしいはず
- 設定より規約
チームにおける約束事はコミュニケーションにとても有効
これ重要
開発体制
- プログラマ(設計&プログラミング)...全工程を担当
- 開発、システム運用、サイト運営...全業務を担当
- 分業はしない
参加する人数が少なければ少ないほどコミュニケーションのロスが少ない
作業の工程は少なければ少ないほどコミュニケーションのロスが少ない
無駄な会議はしない
参加者は必要な人数だけ
- 定例
- 朝会 15分
- 週計画&振り返り 毎週1.5時間
- あとは必要に応じて個別実施、いなくてもよいと判断したら勝手に出て行ってもよい
ふりかえり
- Keep/Problem/Try
- 個人のもつよかったノウハウや抱えている問題がチームのものとなっていく
開発環境
本番環境と開発環境をそろえる
プログラマ同士の開発環境をそろえる
問題発生時の前提を共有できる
新しいプログラマとも前提を共有できる
その他の情報共有
ツールを使って知識の前提を揃えることで普段のコミュニケーションの質が向上する
ドキュメントによるコミュニケーションはコストパフォーマンスが悪い
- 人「で」補完
- 人「を」補完 (ツール、ペアプロ)
質疑は時間切れ (^^;
■ シゴタノ! For エンジニア
シゴタノ! - 仕事を楽しくする研究日誌の大橋さんのお話
ブログを続けるコツは? (17人アンケートより)
- タスクにしない
- 目標となるブロガー、コメントしあうブログ友
- ボヤキ
- 近況連絡
- 2つのブログを平行して
- 読者のことは考えないこと
- 型にはまらない
ブログ継続の3要素
- ほどほどの期待
- シャープな行動
- 思い通りの成果
■ 次回の告知
- 9/21(金) @ パソナテック
- 地図をテーマにした勉強会
■飲み会
旅行のクチコミサイト フォートラベルの COO & CTO の請川さん、山路さん、紅一点だった上田修子さん、 チミンモラスイ?の p-article さん、Oracle の玉置さん、マイネットジャパンの松尾さんや綱島さんたちとおしゃべりさせてもらいました。
みなさんちゃんとブログつけててすごいです。