一瞬の風になれ 第三部 --ドン--

一瞬の風になれ 第三部 -ドン-

一瞬の風になれ 第三部 -ドン-

そして、俺らはいつものように円陣を組んだ。
総体に行くためだけでなく、タイムを出すためだけでなく、
鷲谷と戦うだめだけでなく、何より、
俺たち四人でチームを組めたことのために走りたいのだった。
「この決勝走れて、どんなに嬉しいか、言葉じゃ言えねえよ」


いよいよ完結編。

微妙に色恋沙汰の話もありましたが、基本は体育会系のノリでした。常に走ってましたね(笑)
とってもさわやかな読み口でした♪


人生は、世界は、リレーそのものだな。バトンを渡して、人とつながっていける。一人だけではできない。だけど、自分が走るその時は、まったく一人きりだ。誰も助けてくれない。助けられない。誰も替わってくれない。替われない。この孤独を俺はもっと見つめないといけない。俺は、俺をもっと見つめないといけない。そこは、言葉のない世界なんだ ――― たぶん。