アフターダーク

アフターダーク (講談社文庫)

アフターダーク (講談社文庫)


村上春樹の本は学生時代にけっこう読みつぶしましたが、なんとなくこの作品はそれらに比べて物足りないなぁという印象を受けました...

結末もやや中途半端感が否めないですし、ストーリー展開の視点が微妙でした。物語の大半は第三者的な立場から描かれていて、「僕」という一人称が登場していた頃と比べると感情移入の度合いが違っているように思います。

あの独特な雰囲気は健在ですけどね。 (^^;

2つの世界を隔てる壁なんてものは、実際には存在しないかもしれないぞって。もしあったとしても、はりぼてのぺらぺらの壁かもしれない。ひょいともたれかかったとたんに、突き抜けて向こう側に落っこちてしまうようなものかもしれない。というか、僕ら自身の中にあっち側がすでにこっそり忍び込んできているのに、そのことに気づいていないだけなのかもしれない。