がばいばあちゃんの笑顔で生きんしゃい!
- 作者: 島田洋七
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2005/01/01
- メディア: 文庫
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勢いで読んでしまいました(笑)
「佐賀のがばいばあちゃん」で登場していた名言をいくつか取り上げて、その言葉が生まれた背景や意味するところが解説されています。前作には登場しなかったばあちゃんの七人の子育てにも触れられていて興味深いです。
淡々と書かれていますが、胸に染みます。
「裸で生まれてきたという意味を分かっていない」
これも、ばあちゃんが言っていた言葉だ。
そう、人間、生まれた時は身ひとつ。
何も持っていなかったのだ。
(中略)
身ひとつで生れ落ちた先が、今の日本だったことを、まずは感謝するべきだと思う。
戦争中の国や、飢饉に苦しむ国に生まれて、生まれながらに苦境に立たされる人も大勢いる。
世間体を気にしないということは、人間社会からだけモノを見ないということにもつながっていたのだろう。
ある時、雑草がちっちゃい花をつけているのを、すごく愛おしそうに見ていたことがある。
「きれかろう」
「うん。でも、ちっちゃい」
そう言った俺に、ばあちゃんは、
「アリから見たら、大きいよ」
と切り返すのだった。
そして、
「花屋の花は肥料をやったり、人の手が加わっているから大きくて当たり前。小さくても一生懸命、自分の力で裂いてるのが一番きれい」
と、とても優しい顔をして花をそっと撫でた。